* 短編小説 *
□ * 質問させて貰っていいですか? U *
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ははぁ、なるほどなぁ……。
おっきなおめめをうるうるさせて、猛然と抗議しよる日番谷さんをなだめ、ようやく事態を理解したのはつい先程。
興奮して遅々として進まへんかった説明を掻い摘むと、要はボクが日番谷さんのカラダばかり狙うとる、ということらしい。
全く、とんだ濡れ衣やわ。
ボクはカラダだけで良ぇなんて性質やないで?
心も体も自分のモンにせな、満足出来へん。
この子かて良ぅ解ってるやろに。
………まぁ急にそないなこと聞かれて、気が動転してしもうたんやろねぇ…。
とりあえず…、檜佐木クンは後回しやな。
まずはこの子どうにかせな。
…せや。良ぇこと考えた。
ボクは少しだけ困った表情を作ると、日番谷さんを見つめた。
さっきごちゃごちゃ言うとった……。えぇと、正月の件からやね。
「日番谷さん、やっぱり覚えてへんかったん?」
「だからッ!!俺が正体ないのを良いことに自分の部屋に連れ込んだんだろ?!」
「ちゃうて、その後のコト」
「その・・・あと?」
「日番谷さんたら部屋に着くなり着物脱ぎだして」
「ぬっ!!?」
「ボクに無理矢理ちゅーしてきてんで?」
「はああぁッ??!!な、何言ってんだてめ」
「そんなことされたらボクかてよう辛抱できひんかってん、ごめんなぁ?」
「う、あ、そ…俺こそ…
じゃ、じゃああれは!!…つ、月見ん時に………ッ」
「ん?・・ああ、ススキプレイ?」
「プレイとか言うなあッ!!!!」
「あれかて日番谷さんやろ?ボクの誕生日に一緒できんからーって」
「俺がしたのは、その・・・アレだけだろっ!!」
「好きな子ォからちゅーされてボクがそのまま放っとくわけないやろ?」
「ぐ・・じゃあ書類届けに行った俺を机に押し倒したのはッ!!」
「・・・へ?・・」
「とぼけたって無駄だからなっ!!時間外だって一応しご」
「ちょ、待ち。書類届けがなんやて?」
「だからッ書類届けに行ったら無理矢理机に押し倒して」
「ボク日番谷さんと執務室プレイなんてしたことないけど?」
「・・・・・は?」
「さ、その話ゆぅっくり朝まで聞かせてもらいましょか?・・ボクの部屋で」
「ちょ、まっ待てえぇぇぇッ!!!!!」
全くキミは、ホンマに隙だらけやねぇ。
そんな所も可愛ぇんやけど、ちょっと心配になってくるわ。
ま、それはええ。ボクがしっかりしとるから平気やろ。
そんなことより、今日はボクがキミんことどんだけ想っとるか、よぉく教えたるよ。
小さな体をひょいと抱き上げ、ボクはにっこりと笑って床を蹴った。
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