novel
□My baby gets drunk(桃海)
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My baby gets drunk
土曜の昼下がり。
今日はたまたま部活の無い休日。
俺、桃城武は恋人の海堂薫とファミレスでラブ×2デート中だったりします♪
そんな俺の恋人は、先程書店で買ったばかりの月刊プロテニスに噛り付いてます。
こういう光景なんかを見てると、つくづく俺って幸せ者・・・なんて思ったりします。
ハァ・・・海堂、可愛いなぁ・・・Vv
視線を下に落としている海堂の頬の産毛は、日光に当たってキラキラと輝いて見える。
睫毛は長くて、切れ長の大きな瞳をより際立たせている。
「なぁ海堂。そろそろ注文何にする?」
俺がそう尋ねると、海堂ははゆっくりと顔を上げる。
「ん・・・オレンジか何か・・・」
そう言うと、またすぐ視線を下に落とす。
・・・あらら☆夢中になってやんの。
俺は店員を呼ぶとメニューに軽く目を落とす。
「・・・えっと、コーラフローととオレンジジュース」
店員は二度程注文を確かめると、慌ただしく厨房の方へと消えていった。
・・・新人・・・か?
ふと何気ない事に気を留めてしまう。
でもまた直ぐに彼奴の姿に釘付けになってしまう。
可愛いなぁ・・・♪
* * * * *
五分位するとさっきの店員がお盆にグラスを二つ乗せて来た。
「コチラ、コーラフローとオレンジジュースになります」
そう言って置かれたグラスを自分の方へと引き寄せる。
そうして店員は「ごゆっくり」と言うとまたも慌ただしく厨房の方へと戻って行った。
「ほい海堂」
オレンジジュースを海堂の方へと差し出す。
「あぁ」
海堂は少しグラスを眺めるとジュースに口を付けた。
俺はというと、喉がカラカラで、待ってましたとばかりに勢い良くコーラを飲み干した。
そして底の方に溜まったアイスに手を付ける。
「ん〜、つめてぇっ!やっぱコーラとアイスって相性抜群だなっ!!」
「・・・・・」
「ん?海堂どうしたんだ?さっきから黙って」
海堂は先程ジュースに口を付けてからずっと俯いたままだった。
「?海堂どうした?大丈夫か!?」
そう言って俺が体を揺さぶると、海堂は顔をゆっくりと上げた。
「どうしたんだよ。腹でも痛いのか?」
すると次の瞬間、信じられない事が起こる。
海堂がいきなり自分から口付けて来たのだ。
「///!?」
バッと海堂を引き離す。
付き合っていると言っても、中々自分からはキスをして来なかった海堂がいきなり・・・
しかも公衆の面前でっ!!!
信じられねぇよっ!
「かっ、海堂どうしたんだよっ///」
思わず言葉にも朱が入ってしまう。
しかし、驚くのはこれからだ。
「も〜もぉ♪」
!?
いきなり艶めかしい声で呼ばれる。
不振に思い海堂に近づくと・・・、
酒の匂い。
先程まで海堂の飲んでいたジュースを一口。
「・・・!?これ、酒じゃねぇかっ!!!」
そう、海堂が飲んでいたのはどうやら店員が間違えて運んだ”オレンジカクテル”だった。
くそっ・・・さっきの店員・・・。
しかし今は店員を恨んでいる場合ではない。
このすっかり出来上がった海堂をどうするかだ。
こんな真昼間から健全な男子中学生が酔っ払ってるなんて、世間から非難の目で見られる事この上無い。
「も〜も、もも、へんいひろよぉ〜」
も・・・もも??
「海堂・・・」
「む〜、さっきからよんれるろになんれへんいひないんらぁ〜?」
「や・・・あの・・・」
「ももひろぉ〜、てめっおえのころきあいになっらのかよぉ〜」
そう言って海堂は机に突っ伏して泣きじゃくってしまう。
・・・可愛い・・・。
ってそうじゃなくっ!!
「ばっ、んな事有る訳・・・」