novel
□Happy color(千海)
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「ねぇ,君暇?だったら俺と遊びに行かない?」
学校帰り,暇を持て余して駅前をぶらついていると可愛い子発見!
俺って今日もラッキー♪
「え・・・でも・・・」
「いーじゃんいーじゃん,行かない?」
そうやっていると,後ろから思いもしない言葉が飛んで来る。
「・・・千石・・・さん?」
Happy Color
その声の方を振り返ってみると・・・
「あぁ〜〜〜〜〜っ,海堂君っVv」
そう言って俺は目の前に居るその人物に抱きつく。
「千石さん・・・」
「ん?何♪」
「・・・苦しいっス・・・」
そこで我に還る。
「あっ・・・ゴメンゴメン」
そう言って背中へと廻していた腕を離す。
俺はへへーっと言ってペロリと舌を出す。
「いやー,久し振りっ!海堂君の方から声掛けてくれるなんて,俺感激Vv」
「・・・別に・・・それより,邪魔してスイマセンでした」
「え!?何が?」
「何って,人と話してたみたいだったんで・・・邪魔してしまって・・・」
「あ〜,いいのいいの,大丈夫!」
そう言って俺は先程ナンパしていた子に向かって手を振り,歩き出す。
「ゴメンね〜,大事な用出来ちゃったから」
だって,さっきの子も可愛かったけど,海堂君の方がずっと可愛いしね♪
俺って本当,ラッキー♪
* * * * *
「海堂君って誕生日いつ?」
「俺っスか?俺は5月11日っスけど」
「それじゃぁ牡牛座かぁ・・・え〜っと,今日の牡牛座の運勢はぁ〜・・・」
そう言って俺は手にした占い雑誌を覗き込む。
「ん〜と,“牡牛座のあなた,今日は充実した一日になりそう。公園のベンチがラッキーポイント”・・・だって」
「へぇ・・・公園のベンチっスか」
「んじゃぁ行ってみるかぁ」
そう言って俺は海堂君の腕を掴むと,近くの公園へと走り出す。
「えっ!ちょ・・・ちょっと・・・」
「いーからいーから♪」
* * * * *