novel

□Happy color(千海)
1ページ/3ページ

「ねぇ,君暇?だったら俺と遊びに行かない?」

学校帰り,暇を持て余して駅前をぶらついていると可愛い子発見!

俺って今日もラッキー♪

「え・・・でも・・・」

「いーじゃんいーじゃん,行かない?」

そうやっていると,後ろから思いもしない言葉が飛んで来る。

「・・・千石・・・さん?」



Happy Color



その声の方を振り返ってみると・・・

「あぁ〜〜〜〜〜っ,海堂君っVv」

そう言って俺は目の前に居るその人物に抱きつく。

「千石さん・・・」

「ん?何♪」

「・・・苦しいっス・・・」

そこで我に還る。

「あっ・・・ゴメンゴメン」

そう言って背中へと廻していた腕を離す。

俺はへへーっと言ってペロリと舌を出す。

「いやー,久し振りっ!海堂君の方から声掛けてくれるなんて,俺感激Vv」

「・・・別に・・・それより,邪魔してスイマセンでした」

「え!?何が?」

「何って,人と話してたみたいだったんで・・・邪魔してしまって・・・」

「あ〜,いいのいいの,大丈夫!」

そう言って俺は先程ナンパしていた子に向かって手を振り,歩き出す。

「ゴメンね〜,大事な用出来ちゃったから」



だって,さっきの子も可愛かったけど,海堂君の方がずっと可愛いしね♪



俺って本当,ラッキー♪





* * * * *





「海堂君って誕生日いつ?」

「俺っスか?俺は5月11日っスけど」

「それじゃぁ牡牛座かぁ・・・え〜っと,今日の牡牛座の運勢はぁ〜・・・」

そう言って俺は手にした占い雑誌を覗き込む。

「ん〜と,“牡牛座のあなた,今日は充実した一日になりそう。公園のベンチがラッキーポイント”・・・だって」

「へぇ・・・公園のベンチっスか」

「んじゃぁ行ってみるかぁ」

そう言って俺は海堂君の腕を掴むと,近くの公園へと走り出す。

「えっ!ちょ・・・ちょっと・・・」

「いーからいーから♪」





* * * * *
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ