100題

□016.足跡をたどって
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海辺に花井と私、二人だけの世界。

「花井ー。ちょっと、早いって。」

どんどん先を歩くあなた。
私はいつも後ろをついていくのが精一杯。

「花井ー花井ー」

どんだけ読んでも振り返りもしないあなた。
私はいつも一人ぼっち。

寂しさをこらえて足を止めると、あなたが何か言うの。

何も聞こえないけど。






私の夢はいつもここで終わる。
花井と出会って、恋に落ちてから、何度も見たこの夢。




「花井のバカー…」

朝一番、花井の顔を見て一言。
私は花井とは結構話すし、仲は良いほうだと思うけど、さすがにバカはないよね…

「はぁ?なんだよ、いきなり。」

意味わかんねーよ、って言いながら私の横をすり抜けてく花井。

なんかあの夢が頭をよぎって、つい腕をつかんでしまった。

「んだよ、なんか用なのかよ。」

「花井の…バカ…」

情けないことに涙まで出てきちゃって。

「うわっ!!ちょ、おま、ど、え、な!?」

あーあ。花井をこまらせちゃったよ。
困らせたいわけじゃないの。
ただ、そばにいて欲しい、なんて彼女でも無いのにそんなこと言えない。

「あーもういいからこっち来い!!」

今度は逆に腕を引っ張られて人のいない方へ連れて行かれる。



「ほら、ここなら誰もいねーからなんかあるなら言ってみ?」

私の頭を撫でながらそういう花井。
あー優しいなぁ…って感激したら、もう涙が止まんなくなった。

「お、おい!泣くなよ!!」

なんか泣きすぎて訳が分からなくなった私の頭は、私にものすごい命令をしてくる。
『告白するなら今だ』ってね。

「す、ヒック、きな、うぇっ、のぉ!!」

必死の告白も何言ってんだかわかんないし。
もうさいあく。

「…わり、もう一回。」

ほら、伝わってない。
だから、深呼吸してもう一回言ってやった。

「す、き、なの!!は、ないがっ、すき、なんだよぉ!!」

言うだけ言って私は花井から逃げるように走った。
言い逃げってヤツ。

物置(?)の影に隠れて座り込む。
今日はここでサボろう。

「おい、お前、言い逃げすんのかよ。」

「花井?」

こんなとこまで追いかけてきてくれたんだ。
ヤバイ。嬉しい。

「返事は聞かねーのかって言ってんだよ。」

ちょっと顔を赤くしてそう言う花井がちょっと可愛いなんて思ってしまう。

「返事…してくれるの?」

「当たり前だ!!…俺も、お前が好きなんだからな///」

え?今、なんて?
って考えていると花井が近寄ってきて、私を抱きしめた。

「だから、お前が好きなんだよ。」




その後、二人仲良くサボって、花井はシガポにこってりしぼられてた。


その日の夜、私はまた夢を見た。
いつもと同じ夢。
ただ、いつもと違うのは、花井が最後に言う言葉がちゃんと聞こえたって事。

その言葉を聞いた夢の中の私は花井の後をまた追いかけた。



足跡をたどって


『お前が好きだ』



(あたしも好きだよ!!)





END











あとがき

意味不明な上に長い…!!
花井じゃない…!!
花井のキャラいまいちつかめてません。
すみません。

2007/9/18

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