詩/1
□ちく、たく。
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ちく。
イライラした時には、時計を耳に当てるの。
ゆっくり、落ち着いてくるのがわかるよ。
ちく、たく。
泣きたい時には、時計を耳に当てるの。
そうすれば、いつの間にか涙は止まってるから。
ちく、たく、ちく。
死にたくなった時には、時計を耳に当てるの。
ほぅら、聞こえてきたよ。
ちく、たく、ちく、たく。
死んでしまったら聴こえない音が、聴こえてた。
君には聞こえる?
聞こえたら、君はまだ生きていられる。
でも、油断はしないでね。
耳を塞ぐ悪魔は、死神は、いつでも君の隣にいるから。
気をつけてね。
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