詩/1


□気紛れな異物
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一日の始めに発する言葉は
       『オハヨウ』
一日の最後に発する言葉は
       『オヤスミ』

気紛れな子供の
気紛れなあいさつ


一番始めに残した言葉は
       『ハジメマシテ』
一番最期に残した言葉は
       『サヨウナラ』

気紛れな大人の
気紛れなあいさつ


一番嬉しい時には
       『にゃあ』
一番哀しい時には
       『にゃあ』

気紛れな猫の
気紛れなあいさつ



子供でも大人でもなく
ましてや猫でもない

自分を好きになれないのに
誰かに好きになって欲しいなんて
自分勝手だと思われるだろうか
我が侭だと思われるだろうか

今を生きる意味すら見つからず
死を待つだけの
『歪(イビツ)』な『異物(イブツ)』
そんなものを誰が愛すだろう

歪み(ユガミ)は歪み(ヒズミ)を生み出し
全てに見放され
また歪み(ヒズミ)が生まれる

何が正しくて
何が悪いのか

歪な異物は今日も気紛れに
何処かで気紛れなあいさつを落としてる








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