●花薊物語●
□花薊物語 ミッチー編
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「学籍番号・・・えーっとA-55-1132ツナ8と、A-56-6588ミッチー・・・というところか。顔を見る限りでは。」
情報が簡単に『その人物』の口から漏らされる。
これで塾関係者であることがハッキリした。
しかも、講師以上の立場であることも。
この塾では、事務員達には生徒の管理を一切させていない。
塾生の情報を簡単に知り得るのは、講師、か上層部の人間かだけである。
つまり、かなりの権力者か、または一方向においての知識人というわけである。
まあ塾長なわけだけれども。
しかし、塾生の二人にはそんな知識はないわけで。
簡単に学籍番号を当てられた事への驚きしかなかった。
「な・・・で?」
只単純に驚きしか見せられない二人を、『その人物』は微笑みながら見下ろしていた。
〜〜〜
暫く二人をからかった後、『その人物』は飽きたのか、こんな言葉を口にした。
「じゃあ最後に私にたどり着くヒントをあげよう。」
“この塾の管理者のさぁゃという者のところに行ってみればいい”
『その人物』は、そう言って指をパチンッと鳴らした。
すると、二人の周りで一つ一つ物が消えていき、最後に残った『その人物』が映し出されたパソコンの中で『その人物』が
「See you again!!」
と言ってパソコンも消えた。
ふと見ると、そこは自分達の教室の真ん前だった。
一気に緊張がゆるんだ二人は、其処にペタンと座り込んでしまった。
「この塾の管理者・・・」
ミッチーは心の中で呟いて、壁に寄りかかった。
end
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