●花薊物語●
□花薊物語 ミッチー編
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「貴方がこの奇怪現象に関係してるってこと・・・?」
ミッチーは、いつもは薄く開いた目を思いっきり開けて、つまり驚きの表情を見せて言った。
『その人物』は、
「ははっはっ!!さぁ?どうだろうねぇ?」
と曖昧に誤魔化した。
「でも・・・それだったら扉の向こうが外じゃなくて此処に繋がってるってのも・・・わからないこともない・・・」
ツナ8が呟いた。
そうなのだ。
もし此処がこの現象と全く関係のない場所だったら扉の外が此処に繋がっているのは不自然なのだ。
しかし、この現象に関わっている人物の領域なのだとしたら。
繋がりも見えて来るというものだ。
「何故こんなことをしたんです・・・?」
犯人に迫るかのように、ミッチーは尋ねた。
でも、やはり『その人物』は一枚上手だった訳で。
「私がしたなんて証拠は何処にもないだろう?」
自分からDaliの繋がりを匂わせておいて、自分は関係ないと面を被る。
恐らくこの状況を楽しんでいるのだろう。
でも、手のひらの上で弄ばれているミッチー達はたまったもんじゃない。
遂にミッチーの堪忍袋の緒も切れた。
「もういいです!!!!貴方からは何も得られません!!!!帰ります!!!」
行こ、とツナ8の腕を握って出口へ向かうミッチー。
だがしかし、途中で足を止めなければならなくなった。
「出口が無い・・・?」
二人は唖然とした。
自分達が入ってきたはずの扉が跡形もなく消えているのだから。
「ふふふっ!この頃はみんな我慢することが下手だねぇ!!でも、もうちょっと話そうよぉ!」
こうなることがわかっていたらしく、気持ち悪く話しかけてくる『その人物』。
自分達はどうなるのだろう・・・と不安になりながら、ミッチー達は先程背を向けたパソコンの画面に、再び向き直ったのだった。
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