●花薊物語●

□花薊物語 番外編2
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ぐごおおおお、ぐうううう



弱いくせに大量に飲んだ酒のせいで、あげたまご先生がイビキをかいて寝ている。

部屋のど真ん中で寝始めたもんだから、管理のユルリさんが部屋の隅へ引っ張っていった。


それだけでなく、塾の講師、管理職の方々、更には特別講師まで、部下上司関係なく酒を飲んでいる。

あげたまご先生のように飲みつぶれる人も幾人か見受けられた。



その酒臭い部屋で、特別講師、カオス先生と隅の方でちびちびやっている私、パディ。

酒は弱い方でない。
むしろ、強い方である。


それは、カオス先生も同じのようで、さっきから日本酒を注いでは飲み、注いでは飲みで、そろそろ一升が空きそうな勢いだ。

「そういえば、何でこんな宴会やってるんですか?」


カオス先生に聞いてみた。

いきなりあげたまご先生に誘われたもんだから、何でこんなことになっているか事情がつかめていない。


カオス先生は、注いだばかりの酒を一気に飲み干して、酒臭い口を開いた。


「何ででしょうね?こんな宴会開くなんて。」


なーんだ、カオス先生も知らないんだ。

ほっと安心しながらコップにビールを注いだ。


シュワワワワワワ・・・


ビールの炭酸が弾ける音が耳に心地いい。

ちょっとビールを口に含んだ。

当然、苦みがある。


こんなビールが飲めるようになったのは何時だったか。

昔は紅茶でもコーヒーでも砂糖をガバガバ入れて飲んでいたものだ。


そういえば、カオス先生って子供の頃どんなだったんだろ・・・

軽く酔い始めた頭でフッと考える。


「カオス先生ってどんな子供でしたか?」


聞いてみた。

勉強、できたんだろうなー・・・。



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