●花薊物語●
□花薊物語 カチューン編
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しずがあげたまご達に塾長室の秘密を明かそうとしている頃・・・
「ええええええ!!?何でダリの絵!!?」
異変を知らせに来たあげたまごのお陰で、カチューンのクラスも混乱に陥っていた。
「ふふふっ!!まさかこんな事になるなんて・・・どうしよー!!!?」
この状況でもにやにやが止まないパディ先生が笑いながら困っている。
カチューンも、段々不安になってきた。
パディが困るなんて・・・そうそうあることじゃない・・・
他のクラスメイト達もパディ先生を見て不安になったようだった。
「と・・・とりあえず落ち着こうよみんな!」
などと言ってみても、カチューン自身が落ち着けないでいるので、効果も何もなかった。
何か・・・何とかできるもの・・・
この世界から抜け出す手がかり・・・
あ・・・!!!!!
携帯使えるかも!!!!
カチューンはそう思い立って、ブランド物のカバンの中から黒い携帯をとりだした。
「大丈夫!電波立ってる!!」
少し希望が見えたカチューンは、誰かに連絡をとろうと、電話帳のデータを見入った。
『セミ』
ある一人の人物で目が止まった。
そうだ!!!セミ!!
今日はこの塾の登校日じゃないはず!!
カチューンは高速でメールをうって、セミに送信した。
『送信完了』
その文字を見て、携帯を閉じ、ギュッと握った。
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