●花薊物語●

□花薊物語 ラティファイ編
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和夫宿題終わらないのかなー。


あとで馬鹿にしてやろぉーっと♪


そんなことを考えながら、ラティファイは、テスト用紙の上にシャーペンを転がした。

テスト中に、鉛筆を転がすのは問題がわからないから、と相場は決まっているのだが、ラティファイは、それに反して、テストが面白くないからシャーペンを転がしていた。



ここの塾生は、みんなとても良くできる。


先生の指導がいいとか、テストが簡単すぎるから、とかいう理由ではなく、本当に。


それを示すかのように、あげたまご先生の授業は、あげたまご先生が、


「ねぇちょ、みんな聞いてる!!?」


と半泣きになるほど授業は崩壊しているし、(まあ半泣きになるまで頑張る先生も珍しいのだが)

テストになるとみんな、

「やった俺95点ー♪」
「あ、僕も一緒。」


などという、暴露しても恥ずかしくもなんともない点数をとってくる。


此処の塾、必要あるのかな?と塾長が思う程に。


なので、勿論、ラティファイも良くできるのだ。

テスト問題がわからない、なんてこともなく。




一通り全部解き終わって、再びラティファイがシャーペンを転がしだしたとき、


てろてろてろてろー!!!!


という音と共に、


ドタドタドタドター!!!!


という足音が聞こえてきた。

誰もが、

これは和夫だ

と確信できるぐらいに。


ラティファイもやっと終わったのかーと、ニヤニヤ笑う。

バダン!!!

と、和夫(と思われる人物)がドアを開けた。

まあ、勿論和夫だったわけで。


しかし、和夫は、凄く息を切らしていた。

あれー?そんなに勉強熱心だったっけ?和夫って・・・


ラティファイと同様、他の生徒達も不審に思いだしたようだ。

あげたまご先生が、

どうしたの?

と問おうとして、

「どうし・・・
まで発音できたとき、和夫が、
「外見て!!!!!!」
と遮った。

あげたまご先生は、またショックを受けていたが、そんなことも気にせず、生徒達は窓に走った。

そして、ラティファイも。



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