●花薊物語●

□花薊物語 あげたまご編
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「なぁーあげー?この前関ジャニがさあー!!」

カチューンが話しかけて来た。





此処はとあるビルの3階。
あげたまごは其処で学生に学校で補えなかった勉強を教えているのだ。

つまり、塾である。

そして、あげたまごは普通ならば先生、という立場に立っているはずなのだが・・・

いや、立っているのだが・・・

生徒から先生と思われていない。




本人は半分諦めているのだが、でもやはり半分は諦めきれないようで、

「ううん。先生には敬語使おーね?」

などと言っていた。

「それよりさ!!この前丸が出てたMステ見た!!?」



・・・それよりで片づけられてしまった。

ぼ・・・僕って先生として扱われてないよね・・・。



あげたまごは心の中で一人、落ち込むのだった。



「ねぇ、あげ!!聞いてる!!?聞いてる!!?」


カチューンはあげがショックを受けていることを知りながら軽くスルーして、あげを現実に引き戻そうとしていた。


「・・・ごめ、見てない。」

あげたまごが力なさげに答えた。
カチューンはガックリと肩を落とし、すぐさま、


「次のうたばんにカトゥーン出るから見てね!!」


と違うユニットの名前を出して密かに番宣するのだった。





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