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□きみは僕のもの
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俺はあいつから逃げ切れた事が無い





どんなに、どんなに、走っても走っても走っても





すぐ追い付かれて





捕まってしまう







きみは僕のもの




今日もあいつは、獄寺君と山本がいないのを知っての事か、俺を迎えに校門前に立っていた。



獄寺君はイタリア。山本は遠征。あぁこんな日に限って




クラスの窓からよく見える。黒曜中の制服を着た人が。うっすら笑顔を浮かべてるあいつが。




外に出たくない、きっと捕まる。それでも家に帰らなきゃ。でも正門から帰る訳にはいかない


考えあぐねた結果俺は……

一階にある理科室の窓から帰ることにした。


家まで遠回りになるけど、あいつと対峙する位なら全然マシだ。





なんとか学校から出ることに成功し、いつもと違う帰路を足早に帰っていた。





「逃げ切れたと思いましたか?」



一気に血の気が引いた。会いたくもないその人が、六道骸がすぐ目の前に出てきたから



俺はすぐ今きた道を戻ろうとした。逃げ切れないって思ってはいたけど





「今日は時間が無いんで追い駆けっこはやめましょう。」



言うが早いか俺の腕を掴んで引きづる様に近くの公園まで引っ張った。

何度も手を振り回して逃げようとしたけど、掴んだ腕はビクともしない。



その公園は手入れがされていないのか草は延び放題で荒れ果てていた。
木の幹もベロベロになっている。



公園につくや否や思いっきり腰を寄せられ唇を奪われる。
固く閉ざした俺の口を舌でこじ開け舌を侵入させる。
歯列をなぞられ、じっくり舌を絡ませられ、ねっとりと吸い付く様なキスをする。



「…〜んぅッ!!むぅ」



苦しそうな呻きをあげるとわざとクチュクチュ音を出す。


刺激の強いキスで俺の足がガクガクし始めると、ようやく唇を離してくれた。


足がガクガクして上手く立てない俺を骸が支える様にして言う。




「僕から逃げたお仕置きです、これ以上僕を怒らせないで下さいね?」




それだけ言うと骸は近くの木に俺を押しつけネクタイをはずした。




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