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□姫争奪戦
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姫争奪戦
期末テスト三日前。
獄寺君が俺と山本に勉強を教えに来てくれた。
大好きな二人が家に来てくれるのはすごく嬉しいけど、いつ言い争いが始まって獄寺君がダイナマイトを出すかわからないからヒヤヒヤする。
そして勉強会を始めてわずか十分後、早速恒例の言い争いが始まる。
「なー獄寺、ここ…」
「うっせェ!!テメェは赤点とりやがれ!!」
「ひっでぇな獄寺。なぁツナ?」
「!!テメッ…十代目に甘えてんじゃねェ!!」
獄寺君はまた無茶苦茶言ってるし、山本は獄寺君を煽るしで、今にでも殴り合いになりそうだ。
…でも山本の行動で言い争いはおかしな方向へ向かっていった。
「おっかねーのな、獄寺は。別にツナに甘えても良くねー?」
言いながら山本は俺の二の腕を引っ張り、あぐらをかいて座っていた自分の方へ寄せ付けた。
山本の腕力に適う筈も無く、俺は山本の腕の中にすっぽり納まる形になった。
「ツナちっせー!!…なぁなぁ獄寺、羨ましい?」
山本がおちょくる様に言うと、ブチッという音とともに鬼の様な形相をして両手いっぱいダイナマイトを持った獄寺君が立ち上がった。
「クソが!!果てろっ!!」
「わー!!獄寺君、ストップストップ!!」
急いで火を点ける前に制止をかけると…
「すげーなツナ。モテモテじゃねーか。」
この状況を楽しむかの様にリボーンが部屋へと入ってくる。
「何言ってんだよ!!獄寺君止めろよ!!」
「ボスは愛されたり慕われたりするものだからな。」
「聞けよ!!」
半泣きで目の前の赤ん坊に言うと、リボーンは良い事を考えた様な表情をして言ってきた。
「いっその事、ツナ争奪戦でもやりゃ良いじゃねーか。」
「ハァ!!??」
「良いッスね!!やりましょう!!」
「ハハハッそりゃ面白そうだな。」
勿論、俺の意見なんか聞き入れてもらえる訳もなく、リボーンのいう「争奪戦」に参加させられるはめになってしまった……
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