月が満ちる時に・・・

□序章
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空には相変わらず月が

空を怪しく

そして美しく照らす。
 
 
荒野の遺跡は

月に照らされ

静かにあるだけであった。


……………………………


この物語の歯車は8年前

月下の島

月影帝国で少しずつ動き始めた。
 
 
この頃の皇帝は

民に高い税金を支払わせ

隣国

月光王国を支配しようとし

国民を苦しめた。
 
 
しかし

そんなことは長く続かず

8年前反乱がおき

皇帝は処刑された。
 
 
その反乱の首謀者は

皇帝の側近

当時10歳の

少年だった。
 
 
その少年は

ぼろぼろの麻の袋を頭に被り

ローブを着るというみすぼらしい姿をしていたが

強力な魔力を持ち

多くの功績を上げていた。
 
 
少年は黒い毛並みと

紅い目を持つ召喚獣

鳳凰乃神炎帝を従えていたため

民から

鮮血の悪魔

と慕われ

同時に

恐れられていた。
 
 
皇帝には多くの妃がいたが、子は居なかった。
 
 
彼は代役に即位した

処刑された皇帝の父親に

こう言い放った。
 
 
「陛下、私はこの帝国を元の平和な国に戻さなくてはなりません。そして平和になった時に、私は姿を消すことでしょう」


……………………………

あれから歳月は流れていった。

国は元通り

いや

それ以上平和になっていた。
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