箱庭奪還計画
□壱
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そして今、俺は4年生。学園長のお使いでひと月ほど学園を離れていたが、学園へ帰る途中である。
門が見えてくる。忍術学園と書かれた札がかかっているが、あんなにおおっぴらに掲げていても良いのだろうか・・・
門を開ける。と、澱んだ空気に顔をしかめた。(つもりであるが、表情筋は動かない)
しかめっ面(のつもり)のまま待つが、いつもであればすっ飛んでくる小松田さんがいつまでたっても来ない。
おかしい。
あの小松田さんが気付かないなんて。風邪でもひいたのであろうか。いや、それなら代わりに誰かいるだろう。ならば何故?
門を開けた時に感じた澱んだ空気、小松田さんの不在。
おかしい。おかしい。
胸の中のモヤモヤに不快感を覚えつつ、報告のために学園長のいる庵へと向かおうとした。
「」