clap夢

□拍手夢 1月〜2月
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かちゃ、とドアを開けるといつものあの笑顔。
『いらっしゃいませ。』とふわりと笑うあの人。
本音を言うと、実は、

『ふふ。最近いつも来ますね、グレイさん。』
「あ、あぁ。そだな。」
『いつものでいいですか?』
「おう。」
『はい。』

クスクス笑うこの人は俺より年上の癖に慎重派低くて、仕草は子供っぽくて。
でもたまに、俺より大人の表情を見せる。
それが俺は悔しい。

『グレイさん、聞いてます?』
「あ、え、はい?」
『やっぱり聞いてないじゃないですか。』
「いや、悪ィ。」

ふふ、と笑う笑顔は俺が最初に見たときと変わらなくて。
あー、俺いつからこの人のこと好きだったんだっけ。

ほんとは全部答え知ってたんだけど、考えずにはいられなくて。
俺の傍を離れようとしたこの人の腕をつかんでいった。

「ずっとすきでした。」

この人真っ赤になった顔はきっと俺以外きっと知らないんだろう。
それが嬉しい。
なんてやっぱ子供なのか?俺。

「最初に会ったときから、ずっとで。実は一目惚れでした。」

かぁ、と紅くなる頬が可愛くて、抱きしめた。
人が少なくてよかった、なんて。

『わ、たし、一目惚れとか、信じてなかったんですけど。』
「はい。」
『私も、そうみたいで、す。』

少し恥ずかしそうに笑うこの笑顔。
あ、これ、だ。
俺が惹かれた理由。
確かコーヒー入れるときに、失敗したときの。

(すいません!私、不器用で、)

そう言って恥ずかしそうに笑った貴方に俺は、


恋をした。
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