戦慄のナイト

□騎士王 ネルフェスク
1ページ/1ページ

〜騎士王 ネルフェスク〜

 古来より人々の伝承で成り立つ神話や宗教。
それには、話の元となるモノが存在する。
ただ・・・
 人は、己、又は、己の信ずるものを、大きく、強く、華麗に後世に残そうと、
様々な細工を施してきた。
その真意には、闇を支配するものをも凌駕する勢いで、人々の心につけいり、
彼らを操作してきた・・・

今もなお・・・

昔、イグナティウスが賭けに負け、冥王の任に就かされていた頃、
イベリアの地で、その名を広く轟かせた者が居た。
その者の名は・・・

”リード・リ・アルトリア”
 
人は”彼女”をこう呼んだ。

騎士王 ネルフェスク

と・・・

 




「フェリオス軍はネルフェスク様につづけええええ!」

騎馬兵の一人が声を上げる。
青年の名はライオネス。
名の珍しさから、彼は人から軽蔑される傾向にあった。
名の由来は彼の親が昔訪れた地で、神獣とされ、崇められているライオンを
気に入ったのが始まりなのだがまあその話はおいておこう。
今は戦中だった・・・

フェリオス軍。

英雄イリオウン・フェリオスが設立させたと言われる負け無しの最強軍団。
リードは二代目の将軍で、人は彼女が女であることは知らない。

この日もフェリオス軍は地中海最強と謳っているストルース軍に中枢まで斬り進み、
その軍を地中海に押し戻した。
ストルースの軍を退け、勝利を我が物にした彼らが基地の現グラナダのアルハンブラ宮殿に到着したのは、
日が暮れてのことだった。
フェリオス軍は総勢10000の軍勢で、減ったことも、増やしたこともなく、
正に不滅故に最強の軍なのである。
戦果報告の集会解散後、ある一組の青年団体が酒を飲みに行ったらしい。
彼らはそこで怪しげな団体を見たらしい。
そのうち一人が落とした石板を拾った青年が言うには、こんなことが書かれていたらしい。

ネルフェスク暗殺計画

青年すぐにでもリード・・・ネルフェスクに知らせたかったが、階級の問題もあり、
とりあってはくれず、その二日後、ネルフェスクは暗殺される・・・

これは、人々に語り継がれてきたネルフェスクの伝承である。
しかし、この話には続きがある。
そのことを知っているのは、彼女だけ・・・なのかもしれない・・・

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ