大空と風の書
□恋する少年の悩み事
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恋する少年の悩み事
「誰もいなくてよかったね。…保健室なら俺が神夜君に欲情してその気になってもすぐヤれるし」
「うん…」
「(アレ?いつもなら真っ赤になって神夜君が普段以上にたまらなく可愛くなるのに)…神夜君?」
神夜に声をかけるが声に元気はなく、ツナはそんな神夜を抱きしめた。
「!……なに?」
「それはこっちの台詞だろ。なんで神夜君、そんなに今日不機嫌なの?知らずに俺、何かした?」
「……別に何もされてねーよ。さっさと離れないと別れるからな、ツナ」
「んなっ!…神夜君、本当にどうしたの?こんなにも愛おしくてたまらない神夜君と別れるなんて俺には絶対に無理だよ」
「!」
耳元で囁かれたその言葉に神夜は反応を示すと、俯き加減に声を発した。
「……あの、さ、」
「ん?」
「ツナも…名前が綱吉だから、女好きなの…?」
「………え?」
「ツナ……」
「神夜君…俺は神夜君以外に恋愛感情なんて抱かないし、神夜君以外と恋愛したくもないし、するつもりだってないよ」
「本当に…?」
「当たり前だろ。俺は神夜君以外の奴なんかに興味ないんだから。…でもいきなりどうしたの?」
ツナが向かい合わせになるように神夜を膝の上に乗せて頬を優しく撫でてやれば、神夜は心地良さそうに目を細めた。
「授業で…徳川 綱吉は、女好きだったって…」
「(授業中ずっと神夜君見つめてたから知らなかった…)いくら同じ『綱吉』だからって俺も同じなわけないだろ?」
「それ、は…!」
「俺は神夜君以外いらないよ。俺には神夜君さえいてくればいいんだから…愛してるよ、神夜君」
「ん…俺も、ツナがいればそれだけで…いい…」
「(きゅんっ)」
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旧サイトにアップするために書いた小話です。多分、バカップルな綱神が書きたくて書きました。
神夜はツンデレですが、たまにツンがなくなり、デレのみになります(笑)