《roomshare》
□「急接近」を祈ります
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また見つけた
わたしにはそういうセンサーが
働いているのだろうか?
「栗巻さん!」
彼はわたしの声に気づいて
こちらに振り返る
「写真撮ってたんですか?」
うん、と言ってまた空の方を見て
カメラのシャッターを
押し始める
「ね、栗巻さん?
いつかわたしを栗巻さんの
カメラで撮ってくれますか?」
ちょっと考えてから
栗巻さんは
「うん、いつか俺が
撮りたいと思うように
なったらね」
と言って微笑みを返してくれた
それはいつになるのか
聞きたかったけれど
きっとあなたは答えてはくれない
近い将来だって
思ってもいいよね?
気持ちが通じ合うその日まで
待っているから
なんて思いながら
冬の空を二人で見つめた
急接近を祈ります