連載

□ささやかな計画
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『がたっ』


隼「ぜってぇあのくそ兄貴が脅したに決まってんだろ!」

そう叫ぶのは三男の隼人。


ここは沢田家のリビング。集まってる人は、武・隼人・ベルの三人だ。

ベル「ウシシ。それマジだったら王子怒る」

武「あの兄貴ならありえそうだな」

ベルは口では笑ってるが目が笑ってない。

いつも、のんきな武でさえ怒っているように見られる。


原因は今日の朝の「僕はハルの彼氏だけど」といった恭弥にあるのは言うまでもない

当の恭弥は家に帰るなり町の見回りに行った。



隼「くっそー!あいつぶっ殺す!」


なぜこう感情的になるのがここまで遅れたのかというと全員なかなか状況が呑み込めなかったからだ。

小さいころからいっしょにいた幼なじみが誰かの彼女になるなんて考えてもなかった。

しかも、相手が兄弟ともあれば状況についていけなくもなる。

みんな「なるなら俺だ!」だと思っていた


武「ともかく早くハルに真相を聞こう」

隼「ああ。おい、ベルハルは家帰ってきたよな?」

ベル「かえってきて出かけた。ハルが家にいたら、俺がこんなとこくるわけないじゃん・・・あ!」

隼「あほ!!出かけたってどうせ兄貴のとこだろ!!何で行かせたんだよ!」

ベル「だ、だってハルが珍しく「お兄ちゃん!」なんて呼ぶからつい「いってらっしゃい」って」

隼・武「「変態が!!」」

母「あ!ベルくんお久しぶりね」

そこへ買い物帰りの母が来た

ベル「お久ぁ!」


母「そういうばそこでハルちゃんと恭弥くんに会っちゃった!恭弥くん結構前からよくハルちゃんといるね!もしかして付き合ってるのかな!!恭弥くんかえって来たら聞こ」


ベル・隼・武「「「・・・」」」


そう三人は知らなかった、あの2人が最近一緒にいるのを。

母「あれ?どうかした??」

隼「いえ、・・・何も・・・」


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