連載

□ちょっと前のお話
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これはハルがまだ中二になりたてでで恭弥がまだ中三になりたての頃のお話です。


ハル「沢田先輩ぃ〜;」

『ガチャ』

ハルはいつものことながら応接室に泣きながら入ってきた


恭「はぁ・・・今日は何?転んだの?」

ハル「う〜;ち、違います!何かに引っかかって倒れたんですぅ」


(それを転んだというんだ)などと内心で思う恭弥

恭「だったら保健室にいきなよ」

ハル「いやです!あそこのソファーは硬し冷たいです!」

恭「そう・・・そこに救急箱があるから自分で手当したら?」

群れるのは嫌いだけどハルを無理に追い出そうとしない

ハル「はひ!」

(やっぱり恭くんはやさしいです)と思いほほ笑むハル


     *  *  *

ハル「で、そしたら武くんがハルを見て笑うんです!」


手当を終えたハルはいつものことながらベラベラと話しだした

恭「・・・」

半分以上聞き流す恭弥

だが内心穏やかではない

最近の恭弥は気になることがひとつある。

それは自分たちがまだ小学生の頃はハルは「恭くん!恭くん!」とうるさかったのに今ではなぜか「沢田先輩」となったことだ。ハルが中学に入ってもう一年がたっているのに。
それに他の兄弟はいつもどうり武くんと隼人くんなのに


それについてイラつくことはわかっていても何でいらつくのか分からない今日この頃

ハル「沢田先輩、聞いてますか?」

恭「・・・何で・・?」

思わず聞いてしまった

ハル「はひ?何がですか??」


恭「何で、僕のこと苗字で呼ぶの?」

ハル「はひ!何でと言われましても・・」

少し恥ずかしそうにするハル。だが、何が恥ずかしいのか全く分からない恭弥
でも恥ずかしがっているハルを見てさらにいじめたくなる性格の持ち主が恭弥だ

恭「何で?」

少し迫って聞いてみる

ハル「・・・だって恭くんがかっこいいからです!」

顔を逸らし少しヤケ気味にハルは言った

恭「はぁ?」

いきなりわけのわからないことをいうハルをみて少し絶句している恭弥

ハル「だ、だからなんか中学入ってハルはびっくりしたんです!学校の恭くんはなんだかとってもしっかりしていて!」

彼女の目には風紀委員として生徒を指導(噛み殺す)姿がそう映ったらしい

ハル「そう思ったら急に遠くに感じて親しく呼んだらいけない気がして・・・」


語尾がだんだん小さくなるハル

恭「親しいんだから、どう呼んでもいいでしょ」

ハル「はひ!・・・ハルと恭くんは親しいですか?」

恭「当たり前でしょ」

ハル「・・・ハルは恭くんのことが好きなのかも知れません!きっとそうです!!」

恭「はぁ?」

いきなりの告白にびっくりしてしまう恭弥

ハル「はひ!恭くんは??ハルのことす、好きですか?」

またも語尾が小さくなるハル

恭「ハルは誰にも渡さないよ」

恭弥はハルを抱きしめながら耳元でそうつぶやきました。




ハル「そうだ!!これは二人だけの秘密です!!誰にも言っちゃダメですよ!!」

少し甘い雰囲気が漂っていたのに空気を読まないハルがいきなり大声をあげた

恭「ハルうるさい・・・」

ハル「はひ!ごめんなさい・・・でも誰にも言わないで下さいよ」

恭「何で?」


ぶちゃけ独占欲の強い恭弥はみんなに言いふらしてしまいたい

ハル「だって、ベルさんとかうるさいんですもん!」

ハルはモテる。

恭弥もモテる。

恭「はぁ。わかった」

(そのうち言うかもしれないけどね・・)

などと内心思いつつ恭弥は同意した

こうして学校最強カップルが静かに完成したのであった


→あとがき
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