novel

□スクール・オブ・ザ・シー SCHOOL OF THE SEA
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それは全日制高等学校であった。




普通科・写真科・情報科・文芸科・法律科などがあった。




午前8時45分が始業時間である。




2時限目の授業が終わったあとの休み時間に皮田夏樹は同級生の矢根隆弘に声を掛けた。





「馬鹿が生きている限り苦労するよ」隆弘はいった。



「国とかマスコミみたいにいうな」夏樹はいった。




隆弘は黙って廊下を歩いていった。



文芸科教師、風車洋造は4時限目の授業をやっていた。




「日本は無間地獄の国だ。詩と小説の夢もない。日本には夢はない。人権を知らないことによる」風車は教壇でいった。




「殺人に動機はある。日本は悪魔の国である。今日はここまで」彼はそういった。




風車の授業が終わって昼休みになった。




廊下で座りこんでいる生徒がいる。




「日本なんていやだ」その生徒は呟いた。




その日の天気は快晴である。




午後の授業が終わり放課後になって生徒は一人残らず下校した。




校庭のつくしんぼが摘まれずにあった。




(終)

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