□■長編小説@■□
□++-愛と哀T-++
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『あばよ…銀時。』
「高杉ーーーっ!!」
銀時は深夜、悪夢により目が覚めた。
攘夷戦争で敗北してからそう日が経っていない今日。
あの日から高杉は銀時の家に現れなくなった。
高杉と銀時は攘夷戦争が始まる前からつき合っている仲。
後、一週間後で三年目だ。
「またあの夢か…。」
この頃、銀時は同じ夢ばかり見る。
高杉が自分の元から去っていく、酷く哀しく、酷く虚しい夢だ。
その夢はどこか現実味があり、もし正夢になったら―と不安を感じる銀時。
「高杉…。」
自ら会いに行けば会える。
向こうからは会いに来てはくれない。
現在の状況は、とても安定しているとは思えない。
この関係が続けばいずれ、破局してもおかしくない。
銀時は―いや、2人は知らない。
二人の恋を引き裂こうとしている人物がいるとは。
そして、その人物に2人の恋を壊されるとは。