小説
□サクラちゃんとの極秘任務(サイナル)
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ヘマをしたこと。
サイに唇を舐められた事。
いろんなことが起こりすぎて、俺の頭は大変だった。
あんまりびっくりしすぎたせいで、奥歯に仕込んでた解毒剤が何処かに行っちまった。
事前に聞いてたサクラちゃんの話では、あと2,3時間はこのままだろう。
そんなわけで、俺はサイの背中に抱きついて
長い家路をおんぶされて帰っている。
「ナルト、大丈夫ですか?」
あんな事をした俺なのに、サイの声は妙に優しい。
唇をなめ上げたあと、サイは何度も俺にキスをした。
小鳥がついばむような、軽いキスを何度も。
その後、やっぱりあの笑顔で笑ったのだ。
普段のサイとは違う、ふわっとした良い笑顔。
そのとき、俺はなんでサイが怒ったのか分かった気がした。
(サイは、ちゃんと俺の事を聞こうとしてくれてたのに、
俺ってば、サイの事なんか何にも聞かずに、他の人の事ばっかり喋ってた・・)
「ごめんな、サイ・・・」
サイの首筋に顔をうずめてつぶやく。
さらさらの髪の毛の感触が気持ちいい。
「気にしないで下さい・・お詫びは後日改めてもらいにいきますから」
背負ってる俺のシリを撫で回す手つきにぞわぞわする。
(その手はやめろってばよーーー!!)
「それに、ボクはナルト君の事が好きですからね」
君はどうだか知りませんけど、と自嘲気味にふっと笑うサイを見ると
なんだか胸がぎゅっとなる。
・・いや、きっと夕暮れ時のせいだってばね!
とにかく、そんな感じで俺の長い一日が終わったのだ。