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□どこまでも利己的で、残酷な私。
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空は荒れていた。この国に似つかわしくない地鳴りのような雷を響かせながら、土砂降りの雨が先刻から続いている。
私は静かな森の中をあてもなく歩きながら、先程から容赦なく打ち付ける雨粒を身体で受け止めていた。
そして頬には、周囲の豪雨に溶け込むように涙の筋が流れている。
「チェシャ猫の馬鹿…馬鹿…」
うわごとのように、しかしはっきりとした口調で繰り返す。
「わざわざ、突き付けなくても、いいじゃない…」
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