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□あの日の花
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任務が終わってすぐ私はベルの部屋に訪れた。
任務先で手に入れた見せたい物があったからだ。
「ねぇベル!見てみて!」
「ん?何、王子暇じゃないんだけど。つーか任務は?」
「任務は終わったよ。ねえこれ見て。」
私はベルの辛口にも負けじと小さな花を目の前にだした。小さくてかわいい花だ。
他の人からすればどうでもいい花かもしれないけど私にとっては大事な花だ。
「……覚えてる?」
「知らない。」
「…そっか……。」
そういってベルは何事もなかったかのように去ってしまった。ドアの閉まる音が寂しい。
…私にとっては重要な事だったけどベルにとっては些細な事だったのかな………悲しいな…
あの日、私がはじめて人を暗殺した日。
ベルがこの花をくれたのだった。
はじめて人を殺してしまった私は罪の意識にさいなまれ、その場から動けなかった。
そんな時にこの花をくれたのだった。
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「暗殺できたんだ?おめでとー」
「……」
「なんでそんなに暗い訳?成功したのにさ」
「だって……私は人を殺しちゃったんだ…」
「だから何、オレなんていっつもだぜ?」
「でも……」
「だって暗殺者だぜ?仕方ねーじゃん。お前はお前がしないといけない事をしただけだし、オレはお前が悪いだなんておもわねえよ。」
「ほんとに……?」
「あったりまえー。ヴァリアーにいる奴等はお前の事嫌いにならないよ。大丈夫だって」
「うん……。」
「これやるよ。そこに咲いてた花なんだけどさ、お祝い」
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