激妄想Text※注意!

□熱
3ページ/4ページ

夜中に唐突に目が覚めた。
理由は簡単。有り得ない寒気に教われたから。震える手で布団を掻き寄せても寒気は治まらない。…ヤバイ、この震えはおかしい。
寒い、寒い、寒い。
どうしたら良いのか解らない。手足が寒気で痙攣して、視界も回る。まだ夜は明けていない。



「ヤコ」



低い声。ネウロがまだ部屋に居たことに驚いた。



「ヤコ、熱を計れ」
「…無…り…さむ、…よ」



寒気に身体を縮こませる。唇がガチガチと震えて音をたてる。
ネウロは何とか体温計を脇に差し込んできて、ちゃんと計れているか不安だったがアラーム音はそれをきちんと知らせる。



「40.2℃?」



え?
あれ。
軽くヤバイ数値だ。

病院で貰った頓服薬を飲もう。
そう思ったが、震えが治まらず、薬袋に手を伸ばせない。
すると革手袋が薬袋を掴んでネウロが説明書を読んでいる。「これか」といいながら薬を1錠取り出す。…あれ?なんかその薬。形が他のと違う。



「…ネウロ、そっち、じゃ…な」
「いや、熱が高すぎるからこちらだ」



確かにそうだけど。即効性はそっちであってるけど。



それ。座薬。



「…、やだ…自分で、する…から」
「無理だ」



解ってる。手は全然力が入らないし、身体は震えて動かないし。でもでもでも。
なんでちょっと愉しそうなんだこの魔人は。

あっという間に布団を剥がされ、身体を抱き留められる。抵抗なんて出来ないけど、なんでこんな格好?



「もう少し貴様に余裕があれば四つん這いにさせたものを」



一応心配してくれてるんだ。でも御礼を言える状況じゃない。
薬のアルミを剥がしてパジャマの下を脱がすまで…なんて手慣れているんでしょ。なんとか下着は死守したい所です。ネウロが指を舐めて濡らしているのが見えるが、カピバラパンツさんお願い。私を守って。
…くれなくて。



「入れるぞ」
「〜っ!」



薬の冷たい感触。思わず身体に力が入るとネウロに怒られた。



「薬が入らん。力を抜け」
「…や、無理…」



泣きそうなくらい恥ずかしい。ネウロが溜め息をついたのが聞こえた。途端魔人の唇に呼吸を奪われる。それが離れると思わず身体の力が抜ける。



「…っ」
「入ったぞ」



わざわざ言わなくても良い。つる、と薬を飲み込んだそこは薬以外も侵入を許していて。



「…ゆ、びっ…いや、」
「駄目だ。力が入っていて薬が出てしまうから、少し溶けるまでこのままだ」



溶けるまで、このまま…?
なんて台詞。目眩が酷くなる。
前向きに抱っこをされたまま、あらぬところで魔人の指を飲み込んで。恥ずかしくて死んじゃいそうだ。ネウロの顔がみれなくてその胸に顔を埋める。
ふわっと剥がされた布団が架けられる。



「まだ寒いか?」



そういえばネウロの体温が暖かい。いつも冷たいのに。こんな調節出来るんだ。と変に感心しながら、「もう大丈夫」と答えた。寒いとゆうより熱い。顔が火照る。

身体に収められた魔人の長い指の感触。最初は本当に薬を押さえて動かなかったが。
顔にキスが降ってくる。火照った耳朶を啄まれると甘い声が出た。



「や、だ…ネゥ…止め」
「…あぁ。溶けたな」



20分くらいすると悪戯な指が少し動いて。悲鳴が高くなる。溶けたのは薬か。



「…なんだ。こちらも感じるのだな」



囁かれる声に熱が煽られる。



「…や、あ、だめっ…指」
「そういえばこちらは使った事が無かったか」
「あ、…や、あ」
「そろそろこちらを調教しても良いか」



良いわけあるか。
突っ込みは声にならない。
ちゅ、と少しだけ濡れた音がして指が内壁を探る。そしてあるポイントに触れると、意思と関係なく身体が跳ねた。



「…〜っ」
「…ここか?結構深い位置だな」
「や、やだ、…叩いちゃ…だめ」
「…先生は」



‘助手’の優しい声。



「アナルでも感じる変態なんですね」



言うことは魔人で。



「ひっ、く、やぁ…やだ…」
「…泣かないで下さい。かわいくて、虐めたくなる」
「も、やめ…」
「何をですか?」
「…も、いじら、な…で」
「…どこを?」
「…い…や…」
「どこを弄られてるんですか?先生。ちゃんと僕に言ってください」
「…〜っ」
「言わないと、ずっとこのままですよ」



…言え。と低い声で命令される。言わなきゃずっとこのままなんてネウロなら有り得る。身体が熱くて思考が纏まらない。熱がなければこんな恥ずかしい事は言わないが。



「……ァ…ナル……」



熱から解放して欲しくて。何時もよりずっと早く降参してしまう。よく出来ました、と耳に流される声はどこか嬉しそうで。

引き抜かれる指。思考とは裏腹に、ちゅ、とそこは名残惜しそうな音を起てた。
ホッとして身体の力が抜ける。
そのままベッドに横たわらせられ、布団を掛けられた。
汚れてしまったので、とわざわざ溶けた薬で白く濡れた革手袋を見せ付けられて。



「手を洗ってくる」



そう言って洗面所に行く。



戻ってきたネウロにまた何かされるのかと思ったが、意外な事に何もされずに只頭を撫でて貰えた。
まだ熱が高いからな、なんて言うなら最初からお尻なんて弄らないでと思ったが。「潤滑油も無いから傷が付く」って台詞は聞こえないふりをして眠りについた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ