激妄想Text※注意!

□体
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もう、何度こうされたか解らない。初めは確か向こうからだった。興味が沸いた、なんて言っていた。捧げたのは私。抵抗なんてする由もない。それはあいつの理解の出来ない感情だと知っていて、捧げたのだ。

身体ごと、心を。






事務所の下の階の空き部屋に、マットレスを持ち込んだのは私だ。床は痛いと言ったら、立ったままか上にされるかどちらかだから。
段ボールも私が持ち込んだ。ネウロが趣味で集めた怪しい物体を、床に転がしておくのが嫌だった。

その、マットレスの上。
段ボールの中に入っていた拘束具で自由を奪われ、私は裸で転がされている。

広い部屋に響くのは。

自分の悲鳴に似た声と、粘り気のある水音。…小さな、モーターの音。

敏感な胸の突起に、紫色をした小さなローターをガムテープで張り付けられた。
その刺激で腰からはい上がる快感を身じろぎして堪えると、私の秘部から垂れた液体が臀部とマットレスの間でいやらしい音をたてる。
もう何時間もこうして放置されたせいで、悲鳴をあげつづけた唇から唾液が零れる。

…胸の刺激だけでは、イケない。

こんな微弱な振動では尚更。快感を煽るだけ煽って、その波は引いてしまう。

「…、ネウロ、…ネウロっ」

此処から唯一解放してくれる男の名を呼ぶ。今はこの部屋に居ないのを承知で。それは自分の快感を煽る為に。
想像する。この振動がネウロによって与えられている事を。頭よりも体が覚えている、あいつの指を。

「ネ、…ゥロ…も、やだぁ…」

でも、イケない。これはネウロの指じゃない。あいつはもっと乱暴で、もっと気持ちいい。

「…はしたない事だな」

いつの間にか、魔人が私を見下ろしていた。
蔑むような目線に体中が歓喜に震える。

「どうだ?乳首だけでイケたか?」

ピン、とガムテープで覆われた突起を弾かれる。背中が弓なりになるような快感が走るが、イケない。

「…無、理」
「こんなに濡らしているのにか」

膝を割られ、ぐちゃぐちゃになっている所を覗き込まれる。そこにかかるネウロの吐息でイキそうになるが、顔はすぐに遠退いてしまった。

「雌の匂いがするな」
「…や、ぁ…お願…さわっ…て…」
「駄目だ。こんなに汚れた部分は触れない」

冷たい目線は快感を煽る。もう恥なんて無い。腰を揺すって快楽をねだる。

「お願…、触って、イかせて…イかせてっ…」
「ならば」

自分でしろ。

左手の拘束が外れる。
ネウロは離れた所に置いた一人掛けのソファに体を預けて、こちらを笑いながら見てる。

「イキたいのだろう?我が輩が見ててやるから自分で処理をしろ」

冷たい声。その声に理性が浸蝕される。ネウロは足を高々と組んで行為を促す。
顔が熱いのが自分でも解る。自分でしている所を見られるなんて恥ずかしい。でも、取り付けられたローター。拘束されたままの右手と両足。芯を燻る熱。
震える左手を伸ばす。少し触れるとそこが腫れているのが解る。
刺激に腰が跳ねる。

意識が途切れると自分の悲鳴も途切れる。
間欠的に脳髄に電流が流れる。カケラだけ残る理性で男の名を呼ぶ。

「ネウロっ…ネウロ、ネウロ…」

霞む視界に碧の瞳を焼き付ける。見られている。こんな姿を見せ付ける。自分を弄る指は、あの男に操られている。

「ひっ、…ネ…ろっ…」
「イキそうか?」

ブンブンと首を縦に降る。少し乱暴に自分を嬲る。

「駄目だ」

その命令の意味が解らない。

「まだイくな。もう少しその淫らな姿で我が輩を愉しませろ」
「やっ、無理、ダメ、イく…」
「…勝手にイったらお仕置きだぞ?」
「あ、ダメっ…イく、イくイく…」
「駄目だ」

男の低い声が響く。でももう電流は止まらない。頭の中が白く爆ぜる。

「………っっっ、」

全身が快感に痙攣する。悲鳴も上げられない。

酸素が薄い。荒い呼吸を繰り返し、漸く血液に酸素が届くと、痙攣した筋肉が弛緩する。

「ひ、…い、」

胸を苛む小さな機械は痛みを訴えはじめる。ノロノロとそれを外そうとすると、大きな掌にそれを止められる。

「勝手にイくなと言ったはずだが?」

口に笑みを浮かべたまま、魔人がその手を再び拘束してしまう。

「ひ、あ、お願…外し、て…」
「主人の命令を無視しておいて、願など聞けるか」
「…い、痛いの…」

身をよじりながら訴える。外して、お願い。
革手袋が胸に付けられたガムテープに伸びる。

「………ひっ」

びり、とそれを一気に剥がされる痛みに体が跳ねた。もうひとつも勢いよく外す。

「………っ」
「軽くしか付けていない。…テープの跡は残らん」

そろりとテープが付いていた所を撫でる。唇を噛んでその刺激にたえる。

「噛むな。傷が付く」

そっと唇を舐められると、体の力が抜ける。

「いい子だ。さて」

勝手にイったお仕置きだ。

「あっあぁあ!」

腫れた胸を強く掴まれる。

「こんなに毎日刺激してやっているのに、ちっとも成長せんな」
「う、っく、ぅー」
「感度ばかり良くなる」

赤くなった突起を強く擦られる。達したばかりの体は得に敏感だ。

「我が輩の手なら胸だけでイけるか?」

優しい微笑み。この顔をしている時のネウロは得に酷い命令で私を強制る。

「や、」
「試してみるか?」

わざと音を立てて吸われる。

「いっ…」
「痛いか?可哀相に」
「…う、ん、んん」
「あぁ、痛みだけでもなさそうだな」
「はぁ、あ…あぁ」
「腰が揺れているぞ」

揶喩の言葉にびり、と電流が走る。
腫れた胸の突起を強く引っ張られ、耳に舌を差し入れられる。

「…淫乱め」
「ひっ…」

耳から腰に快楽が走り、真っ白になる。茫然とそれを受け入れるとネウロが低く笑った。

「胸、と言うより我が輩の声でイったか。」

まあいい、と上機嫌に見下ろしてくる。

「…ね、…ろ」
「どうした?」

優しく頭を撫でられて、キスを降らせる。酷い男。私は裸で、ネウロは一糸だって乱れていない。

「…欲しい」
「…何を?」

解っていてはぐらかす。その言葉を教えたのはこの男だ。

「…ネウロ…が」
「…ちゃんと言え」

ネウロの笑みが深くなる。
言わなければ終わらないのを知っている。

「ネ、ウロを」
「うん」
「…入れて…」

よく出来ました。



馬乗りになったままネウロがジャケットとベストを脱ぐ。その姿だけでくらくらする。これからの行為を期待する身体はもう言うことを聞かない。

「はやく…」
「着たままは嫌だと言ったのは貴様だ」

確かにそうだ。スーツの温度差が嫌だったのだ。ネウロの肌に触れたかった。爪があるから革手袋だけは外さない。それはこの行為の時に見せる彼の優しさだ。
ぐ、と圧倒的な質量を押し付けられる。…最初はこんなものが入る訳がない、痛くて痛くて仕方が無かったのに。

「あ、あああっ」
「…っ」

この瞬間は、少し好きだ。ネウロは笑みを浮かべたままだが、少し苦しそうな顔をする。それに気付いたのはいつだったか。ネウロも、感じているのか。

「どろどろだな」

ネウロが腰を揺する。
軽く揺すられるだけで頭が真っ白になって、身体が痙攣する。

「何度イく気だ?」

もう悲鳴も出せない私の背中をネウロが優しく撫でる。

「…、…」
「お仕置きだと言ったはずだ」

最奥を目茶苦茶に掻き回されて、もう何度目かの絶頂。

「ひ、…くっ」
「狂え」



それはもう。今更な話で。



身体の奥にネウロの熱を注がれる頃には、意識を手放していた。






意識を取り戻すと、柔らかい毛布に包まれていて。毛布ごとネウロに抱きしめられていた。
人形みたいな綺麗な顔は瞼が閉じられたままだ。
体は綺麗に拭かれていた。

事後の処理は、私が必ず意識を失うせいでネウロがやっている。放って置いてもおかしくはないのに、最初からネウロはそうしてくれた。

(こんな事が優しく感じるなんて、随分心が広くなったよね)

胸元に擦り寄るとぎゅうぎゅうに抱きしめられる。

少なくとも、これは。

(私だけの特権だから)

全て捧げて、与えられるのはこの抱擁だけでも、



シアワセ。






終わり。
 

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