彩りの陽の書
□声がした気がした
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彼に会いたい
ただ、それだけ
それだけの理由で僕は部屋を飛び出した
恋する者にとってこれ以上の理由はないだろう
今日の授業がせっかくお昼過ぎに終わって
大好きな君と一緒に過ごせる時間が増えたと喜んでいたのに
人気者の彼はあっという間に彼の弟分たちにさらわれてしまった
仕方がないので寮に帰ることにしたのだ
でも、僕はどうしようもなく彼に会いたくなってしまったようだ
会いたい・・・
会ってあの声をききたい
あの笑顔を見たい
そう考えると自然と僕の足はレッド寮に向かっていた