彩りの陽の書
□声がした気がした
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吹雪さんに会いたい!
そう思って俺は寮を飛び出した
せっかく今日は授業が早く終わったっていうのに
翔や剣山にすっかり連れ回されてしまった
吹雪さんの
「じゃあ、また明日」
の言葉に何度、翔たちを振りほどこうと思ったことか
やっと一段落ついたようだったから
隙をついて部屋を飛び出したのだ
吹雪さんに会いたい
早く会いたい
会いに行ったら驚くかな
あの優しい声で俺の名前を呼んでほしい
想像しただけでドキドキしてきた
早く会いたい
「よし!近道していくぜっ!」
この林を突っ切ればブルー寮まであっという間だ