緑の体がどさりと床におしつけられた。 青い腕に捕らわれた体が震えてくる。 小刻みに揺れる手足の震えを止めたくて、 ケロロはぎゅっと目を閉じ、拳を握りしめた。 怖くないと言えば嘘になる。 あの時の恐怖が脳裏の片隅に残っていないわけではない。 だけど今は恐怖というよりも、その恐怖をも打ち負かす熱い何かこそが、 その体をどうしようもなく震わせ、胸を締め上げている。 マスクを外した彼の唇が緑の肌の上を、 腹の中心にいだくケロンスターの上を 滑る度にビクリと体は反応し、体温はじわじわと上昇していく。 息をつけば体内に籠もる熱とともに熱い吐息が吐き出された。 「………ゼロロ………」 小さく掠れたような己を呼ぶ声にゼロロは我に返る。 夢中だった 目の前にある 鮮やかな緑色の体に 滑らかな肌に 愛しいその人に── 顔を上げたゼロロの目に映ったのは、頬を紅潮させ、潤んだ瞳で切なげに自分を見つめる思い人の姿だった。 その様に心臓を鷲掴みされたような衝撃に見舞われ、思わず息を詰まらせる。 思いは止めどもなく溢れ出しているのに 言葉に表せないもどかしさに胸は締め付けられる。 「……………好きだよ…………」 それしか言えない 絞り出すように発せられたその言葉にケロロはその両腕を青い背に回し、小さく微笑んだ。 (...to be continued) |