「……知らないよ…………」 間近に感じる息に胸がキュッと締まるような感じがした。 耳の奥では鼓動音がどんどん大きくなっていく―― 息を吐いたら心臓が飛び出してしまいそうで、ケロロはただただ息を飲み込み続け、 均衡がとれなくなった肺は次第に呼吸を早くさせる。 唇がもう擦れそうな距離でゼロロは最後の宣告のように囁いた。 「……僕…… もう……止められないよ……」 「…………うん……」 唇が一瞬触れて離れる。 それでもケロロが逃げてしまわないか、確かめるように間があいて、再び唇を合わす。 青い両手は頬に触れると、そのまま捕らえた獲物を離すまいとするようにしっかりとケロロの顔を押さえ込んだ。 「……ン………ンンッ……ゼロ………!」 スイッチが入ったように深く激しくなったキスに息をつぐこともままならない。 頭の奥が痺れて目眩がしてくるのは決して酸素が足りないせいだけではないことはわかってるけど―― 胸の鼓動は今にも爆発しそうだ。 怖いぐらいの狂おしさにガクリと力が抜けてしまいそうで、ケロロは青い背に必死でしがみついた。 もうきっと何をされたって抗う力なんて残ってやしない―― 自分の背に触れた、今にも崩れ落ちそうなケロロの手の感触に気付いて、 ゼロロは唇を離すと眼前の想い人を切なげにみつめた。 大きく息をついて肩で呼吸をするケロロの朱に染まった頬と潤んだ黒い瞳にゼロロの背筋は熱くなり思わず息を飲む。 ごめん…… ごめんね……ケロロ君…… 理性の壁はもうとっくに打ち崩されているのだ そう…… 僕はもう 止まらない……… (...to be continued) |