★短2★

□だってせっかくのチャンスだったのに!(D66&K66)
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「………で……ギロロ君とクルル殿と……雪山に行ったわけでござるな……」

「……………なんだよ……なんか文句あるでありますか……お前だって我輩一人残して行ったじゃん……」











『だってせっかくのチャンスだったのに!』












ある晴れたその日───

日向家一同は法事の為自宅を後にして、ケロロは一人その家に残された。今ではすっかり家族の一員という名誉だか不名誉だかわからぬ存在になってるとはいえ、さすがに親戚一同が集まる法事に自称侵略者の異星人を連れて行くわけにもいかない、という理由で留守番係に任命したものの、赤い髪の少女はその緑の居候がまた何かしでかすんじゃないかと最後まで懸念し、黒髪の母と弟に「たまには信用してあげようよ」と諭されるように促され出て行った。

そして静まり返った日向家で、ケロロは大きく息を吸い込み、大きな声で叫ぼう──として、はたと思い留まった。

「いけない、いけない……
うっかりするところだったあります」

黒く丸い瞳をくるりと回して息を飲み込むと、ケロロは肩をすくめる。

『今日はせっかくのチャンスなのでありますからして……』

そしてピョコピョコと軽快に足音を鳴らしながら、ケロロは外へと向かった。

『邪魔モノは徹底的に排除しなければならないのであります!』

数分後、にんまりしながらケロロは自室へと戻ってきた。

「ミッションコンプリート!
うまくいったであります!」

ギロロは緊急パトロールにいかせて
タママにはレベル7汚染をでっちあげ
クルルは留守番援助を頼んだらあっさりお断り(計算済)───

完璧……
完璧であります!我輩!
もうこれで邪魔者は排除されたであります!

抑えていた嬉しさが一気に爆発し、ケロロは高らかにケロケロと笑った。きょろきょろと辺りを見回し、一度小さく息を吐いてから大きく吸い込み、天井を向くと大声で叫んだ。

「ドロロ〜〜〜!!」
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