★短2★

□恋ふ(D66&K66)
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『恋ふ』



愛しい人は僕の腕の中で微かに
震えていた。



「……こわい?」



震える肩を強く抱いて問うてみ
ると、彼は頷こうとした首を左
右に振り、彼のクリーム色の軍
帽の耳当てがフルフルと揺れた

肌から伝わる鼓動の速さは高揚
のせいなのか、恐怖のせいなの
か――、
ふと動きを止めた僕の心に芽生
えた臆する気持ちを汲み取った
かのようにケロロ君はその暗く
吸い込まれるような黒い瞳で僕
を見上げると、柔らかく笑って
囁いた。



「怖くないでありますよ……
 ドロロ……」




いいの?

いいの?

ほんとに僕で……







『ドロロが、
  いいんであります』






肩に押し当てられた額にそっと
口付ける。そして瞼に、頬に、
唇に――


閉じられた口唇を何度か啄むと
次第に開かれたそこからは熱く
小さな吐息が漏れ、僕の中で湧
き上がる熱い感情に流されるよ
うに、君の唇を貪った。


「……んっ……」






もう、止まらない

止められない

君への『好き』は




君が……

溢れてる……






「……好…き…ドロロ……」













君は……

温かい……





僕の全てを……

包み込む……

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