★長★

□Time after time【第3章】その二
2ページ/2ページ


合わさるケロロの歯列を割り、
舌を滑り込まる。再び絡み合う
舌の動きは早くなり、行き場の
なくなった唾液は口角から滴り
落ちた。先走り溢れ出していた
蜜でまみれているケロロの後腔
に指をそっと忍ばせる。ケロロ
はビクッと背中をそらせ、声を
漏らすが、唇を離そうとはせず
さらに激しく吸い付いてくる。
少しずつならすように、閉ざさ
れていた場所を開いていく毎に
ケロロは悩ましい声をあげ、ま
すます艶めきたつ姿態にクルル
は息を呑む。指を締め上げてい
た内部から引き抜くと、すでに
ひくついている入り口へと自身
をあてがう。

「……隊長……」

少しずつ体重をかけ、クルルは
ケロロの中へと進み始める。
自分の中に入ってきた熱の刺激
にケロロの口からはとめどない
嬌声が漏れる。

「あ…あ…はぁ……」

そのままクルルは奥を目指しゆ
っくりと進んだ。愛しい人を傷
つけないようにいたわりながら
――。ケロロもまた、クルルが
先へと進みやすいようにと小さ
く口で呼吸しながらその熱を懸
命に飲み込もうとしていた。
進むたびに上がる声をクルルは
自分の耳に刻む。
この声は上げさせているのは自
分なのだと――、今この瞬間は
この声は俺だけのものだと――。
全てを中へと埋め込んでしまう
と、互いに熱い息を吐き出した。

「大丈夫かよ…?」

「……うん……」

潤む黒い瞳の上にかぶさる瞼に
口付けるとクルルは律動を開始
した。引き抜いては最奥を突く
そしてまた――。
最初は緩慢だった動きは次第に
早さを増していき、自分の中で
強く激しく猛る情熱がケロロの
心をも支配していく。
流れ込む熱い思い――

愛しさと――
切なさと――
やるせなさと――
悲しさと――

冷静と情熱の間でクルルがいつ
も見つめていたものはなんなの
だろう…?
激しく揺さぶられながら、ケロ
ロはボロボロと涙を零し、クル
ルにしがみ付く。

「クルル……クルルぅ……」

両足を高く持ち上げられると、
楔を打ち付けるかのように、さ
らに奥を攻め立てる。もう限界
に近い状態だったケロロは悲鳴
のような声で啼くとその欲は弾
け、腹部を白く染めた。と、同
時に強烈に締め上げられ、クル
ルもまたケロロの中で果てた。
息を弾ませながら肩で呼吸をす
るケロロを黄色い腕が抱きしめ
る。

「……クルル……我輩……」

言いかけた言葉を唇で塞がれる
。滑り込む舌を受け入れると、
進入してきた固い異物感を口腔
内に感じ、ケロロは目を見開き
押し出そうとするが、クルルの
舌は容赦なくそれを奥へと押し
込む。

「な……っ!」

ケロロがそれを飲み込んでしま
うまで、クルルの舌は強引に奥
へと押し入り、やがて離れた。
今飲み込まされたのは間違いな
くカプセルのようなものだった。
ケロロは必死の形相でクルルの
両肩を掴み食い下がる。

「な!何、今の!?
 何飲ませたん……で……
 あ……」

言葉を言い終わる前に全身が重
くなり、ケロロの意識は途切れ、
バタリとその場に倒れこんだ。
自分の前で崩れ落ちるケロロを
無言で見つめながら、クルルは
ポツリと呟いた。

「……悪ぃな……隊長……」

ぐったりと動かないケロロを抱
き上げ、もう一度抱きしめる。

――たとえあんたが
  俺を忘れても……

――俺はあんたを忘れない……
  ずっと……

「……クッ……」

自分を嘲るかのように喉をなら
して悲しげに笑うと、ベッドサ
イドにあるコントロールパネル
に手を伸ばす。点滅する赤いボ
タンを押すと瞬時に二人の体は
その部屋からかき消えた。
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ