★長★

□Time after time【最終章】
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桜の蕾が膨らみほころび始めた
頃、日向家の地下、ケロロ小隊
の秘密基地内はいつになくそわ
そわした雰囲気に包まれていた
。普段は滅多に使われることの
ない、大型宇宙艇用ポートには
今朝から照明がともされ、いつ
やってきてもいいように着陸用
モードのテストも済まされていた。
赤い蛙は隣でケロボールを操作
している緑の隊長にブツブツと
呟く。


「まつたく……
どうして貴様は
こういう大事なことを
早く報告せんのだ!?
いつもいつも!」


「しょうがねーじゃん!
本部から連絡きたのが
昨日の真夜中
だったんだから!」


「あーもういい!
それで今日来る参謀長って
ヤツはどんなヤツなんだっ?」



「少しは本部からの情報がある
のだろう?」とギロロが尋ねる
と、ケロロはケロボールのボタ
ンを数カ所押した。すると二人
の前に一人のケロン人の3Dホロ
グラムが映し出される。



「これが今日来る
新しい小隊員であります」


訝しげにまじまじとギロロはそ
の人物を眺める。



「こう言ってはなんだが……
あまり……人が良さそうな
感じはしないな」



ケロロはギロロの言葉に吹き出
す。

「だしょぉー?ゲーロゲロ!
多分、すっげーヤなヤツで
ありますよォ」


「し、しかし
会ったこともないのに、
そう決めてかかっては
今後の活動に……」



少し遠慮気味に言う赤い幼馴染
にケロロはケロケロと笑って言
った。


「意外とうまくやっていけたり
するんでありますよ……
これが」



ケロロはまるで懐かしい人物を
思い出すかのように目をつぶっ
て微笑んだ。
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