Novel

□約束
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(1)

「れーん!!」

あともう少しで学校の校舎に入る所で呼び止められた。


「おはよ。」


にっこり微笑みながら挨拶をしてきたのは私の幼馴染の綾瀬 妃和(あやせ ひより)ちゃん。通称‘よりちゃん’。
小さい頃から何時も一緒で、私のことをすごく大切にしてくれて頼りになるお姉さんみたいな人。



「おはよう、よりちゃん。」
私も笑い返して挨拶をする。
「は〜、緊張するねぇ、入学式・・・・・。」
「だよね。緊張する・・・。」


ホント、心臓ドキドキだ―――――――。


よりちゃんは本当に緊張してるようだけど、その反面どこか楽しそうにしている。
「ねえねえ、この制服どお?似合ってる?」
よりちゃんはそう言ってくるんと回ってみせる。
本当に緊張してるのかな・・・・・・・?
「うん。すごく似合ってるよ!」
・・・よりちゃんの制服姿は本当に似合ってる。
「いや〜、ちょっとばかしレベルが高くてもかんばって勉強したかいがあったよね!」
「よりちゃんて本当に制服だけで高校選んだんだね・・・。」
「あったりまえよ!!高校なんてね、遊ぶためにあるのよ。勉強なんてくそくらえよ!解る?恋。」
いや・・・わかんない。
どっちかって言うと高校のが勉強するためにあるんじゃ・・・・・?
なんて、まじめな考えを浮かべてみたりするけど、中学より校則が緩くなって学校帰りに遊びに行けたりするから私も楽しみだったりする。






☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆







「あ!恋。クラス表見よ。」




よりちゃんが指差したほうには沢山の人が群がっていた。
私とよりちゃんもそのなかに混ざって自分の名前を探す。




「あ、あった!よりちゃん、私2組だよ。」




そう言って自分の名前を指してよりちゃんに見せる。
「本当!私も2組。よかったね、一緒で。」
よりちゃんは満面の笑顔で私に抱きついてきた。



よかった。よりちゃんと一緒で・・・・・・・。



この高校は私とよりちゃん以外受けてないから、クラスが離れたら一人ぼっちになるところだった・・・。




「恋、教室行こ。」
「うん。」





どうせ同じクラスの人の名前を見たって誰かわかんないから、私達は早々に教室に行くことにした。
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