キリリク&記念
□バレンタイン&8万打御礼
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「あ」
「ん?」
廊下に避難すると少し先から歩いてくるリュウが見えて声をあげる。
扉を閉めていても聞こえてくる騒音に状況を確認したのかリュウの整った眉が微かに潜められた。
「俺の部屋にくるか?」
「………行く」
セクハラ大王と2人っきりなのは嫌だが、仕方ない。2月14日な今日は朝から所構わずピンク色で覆われているし、こんな時に恋人のいる友人・知人の邪魔をする訳にはいかない……あいつらのとこには行きたくないし……ある意味セクハラ大王より厄介な奴らだからな!
渋々だが大人しくリュウの後に従った。
あ、周りの罵声は相変わらずだけど……慣れって怖いよな……
やってきましたリュウの部屋!
リビングの床には無造作に積み上げられたチョコとプレゼントの山。
凄い数に軽く引いてしまう。
「適当に寛いでろ」
有り難い言葉だけど、俺にはやる事がある。
「うん。 それより頼みがあるんだけど」
ニヤリと笑うリュウに嫌な予感が拭えない。
その後しっかりセクハラを受けながらも何とか用事を済ませる頃、リュウ部屋に生徒会&風紀&シロがなだれ込んできた。
「コウ大丈夫?何もされてない?」
「大丈夫(セクハラされたけど)」
所々怪我をしているシロの頭を撫でてやると、気持ち良さそうに目を細めて撫でている手に擦り寄って来る。
ああ、癒される。
「ベタベタしてんじゃねーよ!」
「わっ」
「返せ」
シロとほのぼのしていると後ろから抱きしめられた。
抱きしめているのは言わずとも知れた生徒会長様だ。
つぅか、このままだと殴り合い再び☆になる!
「リュウ!紅茶頼む!!」
不穏な空気を退けるように怒鳴ると直ぐにやる気の無い返事が反って来てリュウが紅茶を用意し始める。
何だかんだ俺が避難する事が多いリュウの部屋は、何故だか生徒会&風紀&シロ時々+αも集まる事が多い為、いつ頃からか10人は余裕で囲める大きなテーブルがリビングに現れて、茶器なんかの食器類も着実に増えている。
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