キリリク&記念
□3万Hit記念小説
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親は毎年恒例結婚祝い旅行に出掛けていなかった。
未だにラブラブな両親は軽く恥ずかしいが兄貴と姉貴もそれに便乗してお泊りコースでデートへと出掛けていた。
だから、その週末家にいたのは俺一人だけだった。
怒る人間がいない我が家は快適で一人だらだらと過ごしていた。最高の週末だと思っていた。
それが人生最大最悪な週末にかわりこの世の地獄をみる嵌めになったのは金曜の夜何と無くポテチが食べたくなってふらりと外へ出たのがいけなかったんだ。
「ふんふんふーん♪」
と鼻歌を歌いながらコンビニへポテチを買いに行ったかえり俺は普段通ることのない道で遠回りをして帰っていた。
街灯のない道は月明かりで十分明るかった。
月が綺麗だったから、もう少しゆっくりと帰りたかったんだ。
ゆっくりゆっくり明かりのない道を進んでいくと月明かりに照らされて何かが道の端に落ちているのを見つけた。
「なんだろ?」
近付いて驚いた。
だって普通、人間が落ちてるとか思わないだろ?
その人はボロボロで、一瞬死んでいるんじゃないかとパニクりそうになった。
生きているとわかったのは俺が傷を見ようと触れた時、その人が俺の手を払い、強い瞳で睨み付けて来たから。
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