オハナシ
□ピュア☆ラブ
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−それはさかのぼること、5日前のことだった。
女の子たちが通うアクセサリーショップにある、いかにも場違いな2つの影。
一人はキョロキョロと辺りを見回して、バツ悪そうに立っている。
端正な顔立ちを一層ゆがめている様子から、こういった店にはあまり縁がないのだろう、
キラキラ輝くジュエリーをまぶしそうに睨んでいる。
反対に、もう一人は、不思議そうに見つめる客の視線など気にもしないで、ショーケースにお行儀よくすましているアクセサリを覗き込んでいた。
こういったお店に入るのは慣れているかのようだった。
そう、今日は5月27日、
決戦は明日−
『お、おいっ、山崎っ!その、オレが一緒にいる意味があるのか!?』
あのコ、かわいい〜♪
後ろからひそひそ話す女性の声など聞こえていないようで、大地の瞳をした少年は居心地悪そうに山崎と呼ばれた少年の腕をつつく。
『・・・これもいいねえ、李君。』
そんな友人の様子になど気にも留めず、ひょろりと伸びている背をかがめてあれやこれやと品定めをしていた。
『だ、だからっ!お、オレがいなくてもいいだろっ!?』
『・・・木之本さんにプレゼントをするならどんなものがいいか、勉強しておくといいよ、
・・・小 狼 く ん ♪』
『え・・・』
木之本の名が出ると、とたんに小狼が口をつぐむ。
山崎は小狼のだんまりを細目で確認すると、リングコーナーに移動した。