オハナシ

□サプライズ☆サプライズ
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5月28日am8:00−

『千春ちゃん!』

『うわっ!』
さくらはいつも通りに声をかけたはずなのに、なぜか千春はひどく驚いて飛び上がった。

五月晴れがまぶしい朝、友枝中の校門近くには、登校する生徒たちでごった返していた。
千春が上げたすっとんきょんな声に、みな不思議そうにそちらの方をちらりとみたが・・・
何もないことを確認すると、またそれぞれの昇降口に向かって吸い込まれていく。

『ど、どしたの?』

『さ、さくらちゃん・・・』
きょとんとしている友人の顔をみると、千春はほっとため息をついたものの、少し残念そうに笑った。

『なんでもないの、』
その表情がなんでもないものではなかったから、さくらは心配そうに訊ねた。

『あれ?山崎君は?』
いつもなら千春のそばにいるはずの、細い目をした友人の姿がない。
千春の寂しそうな笑顔はきっとそれ原因か、もしくは何かあるに違いない、さくらにもそれはすぐにわかった。

『今日は別、先に行ってて、て。』
そう言って、制服の白いスカートをなびかせた千春が肩を落とす。

『だって、今日は・・・?』
さくらが目を丸くして言う。

『うん、』

−今日、5月28日は千春の誕生日だった。

『・・・昨年は、朝一番に誕生日プレゼントを持ってきたでしょ、その前はサンタクロースの衣装で夜の0時にプレゼントを持ってきて・・・
その前の年は学校の前でクラッカー鳴らされたし・・・その前は・・・』

『ほえええ・・・』
眉をしかめて指折り数える千春を見て、さくらが思い出したように苦笑いをした。

『・・・今年はどこから来るのか、心配で・・・』
はああああ、千春が大げさにため息をついてみせた。

『今年は2年生になったことだし、変なことはしないと思うんだよね〜』

『そ、そうだといいね・・・』
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