120000hit☆企画
□8、小狼は自分の気持ちに気づく。
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『李君、かわいそう。』
『まさか、さくらちゃんだと思ってキスした相手が、山崎君だったとはね。
『うんうん・・・』
劇の練習を終えた役員メンバーは、
生徒会室に集合すると、口々に同情の意をとなえた。
全くこの少年は本当についていない、
誰もが肩を落として、ため息をついた。
『・・・もうこれで怖いものはなくなったんじゃないか?』
騒ぎの張本人である山崎が口を開いた。
『そ、そうよ、李君。
キスの仕方は完璧だったわ。ただ、相手が山崎君だっただけで。』
利佳が困ったように付け加えた。
『その調子で、バシッとキスしちゃえ!
おお、なんと美しい姫君だ。私の口づけで・・・って。』
し・・・ん・・・
生徒会室に静寂が訪れる。
誰も彼もが黙って、小狼の様子を伺っていた。
『李君は、キスのノウハウが知りたいんですか?』
口火を切ったのは、嫌がる小狼を引っ張ってこの生徒会室につれてきた知世だった。