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□7、小狼は姫の眠りを醒ますキスをした?
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11月に入ると、
友枝中は芸術祭の準備で活気づいていた。

抜けるような青空。
輝く金木犀が、オレンジ色の小さな花たちを強く匂わす。

校内のあちらこちらでは、
作品を作る生徒や、歌を歌う生徒、台詞を読み上げる生徒など、
勉強の合間、皆が思い思いに芸術の秋を過ごしていた。

『李君、次は美術部のモデルに行ってね。』
スケジュール調整と依頼を受けるため生徒会室に残っていた利佳が、
次の予定を口頭で伝える。

『ああ、』
机の上においてある、奈緒子が作成した依頼リストを睨みながら、
李小狼は制服のカフスボタンをつけていた。

―このところの生徒会は忙しい。

芸術祭に合わせて、生徒会役員の出動要請を依頼する団体が急激に増えた。

もちろん、さくら、知世、奈緒子は自分の舞台のリハーサルに忙しく、その他の役員は皆、自分の持ち場に回っているようで、
狭いはずの生徒会室は、がらんとしているようにも感じた。

生徒会室に寄せられた要望は色々なものがあり、
小狼のようなモデルだけでなく、軽音部のボーカル、手芸部の作品づくり、ピアノ伴奏、お料理教室・・・、
果てはビデオ編集ソフトの貸し出しまで、
どうやら、生徒会役員の手でも借りたいくらいのクラブがいっぱいあったのだった。

『まるで便利屋だな、』

園芸部の土を運んだばかりの小狼は、
少しスリムなタイプであるブレザーを羽織ると、次の依頼先である美術室へ急いだ。
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