オハナシ
□サプライズ☆サプライズ
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『2年A組の三原千春さん、2年A組の三原千春さん、
2年B組の山崎貴史さんがお待ちですので、至急、講堂ステージ上にお越しください、
繰り返します、2年A組の三原千春さん・・・』
発声がよくされたアナウンスが、今目の前にいる友人の名を呼んでいる。
すべての機能が止まった女の子達は、いっせいに千春の顔を見た。
『ほええええ、これ、千春ちゃんのこと、だよね?』
『そうみたいですわ♪』
『山崎君も、大胆なことするのね、』
利佳が頬をそめてはにかんだ。
『だから言ったでしょ!やっぱり李くんと二人で何かたくらんでいたんだわっ!』
最近推理小説にも凝っているという奈緒子が、とてもおもしろそうに笑った。
『だ、だ、だってっ、こんな、呼び出しを・・・校内放送でするなんてっ!!』
山崎くんなら、ありえるかもしれない・・・
1年生の頃から、生徒会長に立候補した彼を知らない生徒はいない。
もちろん、『生徒会の権限』で放送部にも口を利く事だってできてしまうのだろう、
さくらたち女の子の面々は、山崎だからできるこのおおっぴらな呼び出し作戦に舌を巻いたのだった。
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