オハナシ

□花粉症にご注意!
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・・・がらっ

「失礼しま〜すっ」
ふいに、
保健室のドアが音を立てて開き、男子生徒の声が甘い雰囲気をかき消した。


『ま、まずい、』

『・・・ほえ?』

『隠れろ、』


小狼は、上半身を上げて保健室のベッドにさくらを引っ張り上げると、すばやくカーテンを引き、布団の中にさくらと隠れる。


「・・・せんせい〜?いないんですかあ?」
土ぼこりをまとった匂いから、どうやら体育の時間にケガをしたらしい。

付き添いらしき生徒が、「・・・不在だってよ、」と先ほどの小狼のように、プレートを叩く音がした。



(ほええええええええっ)
外の様子に耳をそば立てている小狼は、どれだけ二人が密着しているか気づいていなかった。

自分よりも数倍たくましい小狼の腕に覆われた自分の小ささを、イヤでも感じる。

・・・ドキドキが止まらない、

「・・・誰か寝てるんじゃないのか」

「聞いてみるか」

カーテンが閉まっていることに気づいた男子生徒が、小声でそういったのが小狼の耳に届いた。



・・・こんな場面を見られたら、まずい。

今は授業中で、しかも二人きり、

何もなくても、
(いや、もう何かあったが、)

何を言われるか分からない、

しかも、自分の腕にいるのは校内中の男子生徒を魅了している少女だ、

この状況は・・・まずい、

小狼は、さらに身体を硬くすると、自分の方にさくらを引き寄せる。

少しでも密着して・・・さくらの存在を知られないように・・・


こつこつこつ・・・
足音がベット脇へ近づいてくる、
小狼はさらにさくらに布団を押し付けて、同時に考えられる言い訳をいくつか考えながら身構えた。

―が。
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