オハナシ

□花粉症にご注意!
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不意打ちで奪われた唇は、いつもよりぷっくりと熱く・・・やわらかく湿っているのがよくわかった。

『お、おいっ、ここは、学校だぞ?!』
スキを突いて唇から離れると、しどろもどろに言葉をかき出す。

『うん・・・』

小狼の頬を、少しだけ長い、
はちみつ色の髪がやさしく撫でる。

小狼はさくらの、この横の髪が好きだった。

さくらが何気なく長い指を絡めて引く時、
さらさらと落ちる髪がまるで秋に見た稲穂のような黄金色に輝いていて、いつも目を奪われた。

またその細い髪が、さくらの白い頬を伝う時、
遅れてきた髪を、うん?と小首をかしげて払いのけようとする仕草に、小狼は胸の奥が何ともいえない色に染まるのだった。



一瞬、触れたいという欲求がこみ上げてきたが、ぎゅう・・・と拳を硬くする。

・・・ここは、学校で、

保健室で、

・・・今は授業中・・・


これはまずい、

小狼は、さくらの身体を跳ね除けようと腕を出した瞬間―
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