2
□ミッション・クリア!
5ページ/15ページ
しばらく、その一生懸命なさくらの横顔に見とれていた小狼は、笑みを浮かべその様子を伺っている知世を見て、はっとした。
『今までたくさんのさくらちゃんを撮影してまいりましたが…、』
紅茶を一口、こくりと飲んでから…
『今回は、是非プレイベートなさくらちゃんを撮影したいのです』
そういって、いつものように微笑む。
『世界一の魔術師さんの後継者であり、ご近所の平和をお守りする、世界唯一のカードキャプター!さくらちゃん!!
そんな、超絶!かわいい、みんなのさくらちゃんが、どんなプライベートを過ごされるのか…、
ファンとしては大変気になるところですわ!』
…何をいまさら、小狼はあきれたようにため息をつく。
どのさくらも、ありのままの、さくらだ。
…カードキャプターの時も。
学校にいる時も。
休みの日も。
…自分と一緒の時も。
そんな小狼の表情を読み取った知世が、小さくつぶやいた。
『…李君と一緒の時のさくらちゃんは…、
違うさくらちゃん、ですわ…』
多分…その時だけは、みんなのさくらちゃんではない。
特別な、さくらちゃん…
知世はちょっと考えた後、ぽんっと手を叩いていった。