□ミッション・クリア!
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ミッション 2、

小狼は、知世の部屋のソファーに、いささか緊張した面持ちで腰をかけた。

…南向きの明るく広い部屋には格調高い家具がバランス良く置かれ、手入れが行き届いた小物たちは、その部屋の主の性格を物語っている。

何度かさくらと一緒に知世の家にお邪魔したことがあったが、香港から帰って来てからははじめてかもしれない。

―アールグレイの香りが、美しい絵がほどこされたカップにゆっくりと注がれる。

知世はなめらかな手つきで、小狼の前に差し出すと、どうぞ、と、ふんわりと笑みをこぼした。

小狼はありがたくかぐわしい香りを堪能した後、一口のみ込み、話を切り出す。


『…で、頼みって何だ?』

そのぶっきらぼうな言い方は、もともと彼の性格上のものであり、知世は特に気にも止めない。

しかし、このクールな友人が、一人の少女の存在によって大きく変わっていったのを、知世はずっとこの目で見守ってきたのである。
多分これからも。

『…実は…李君にお願いしたいことがありまして…』

知世はサイドテーブルの側から、きれいな箱を取り出して、小狼の前に置く。


『まずは、開けてみて下さいな♪』

知世の、キラキラした瞳の向こうに、いたずらっ子のような色が一瞬覗かせたのに、小狼は気づかなかった。
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