小説@

□見つけたから
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あの後ろ姿は…

「ココーっ!!」

のぞみは前を歩いているココに向かって駆け出した。

聞き覚えのある声を聞いたココは、ゆっくり振り返る。

すると…



「わっ…」

視覚がのぞみを捕らえる前に、自分の体がのぞみを受け止めていた。

飛び込んできたのぞみ。

勢いよく飛びこんできたのに、あまり重さを感じなかった。

そのため、元の姿に戻ることは辛うじて逃れられた。

「の…のぞみ…?」

自分に抱きつくのぞみにうろたえる。

このまま抱きしめていいのかと、動かしかけた手を止めた。

そこに現れたのは、少しの理性。

抱きしめるのではなく、のぞみの頭に右手を置き、よしよしと撫でる。

「一体、どうしたんだ?」

もう一度、のぞみに尋ねるココ。

のぞみは顔を上げて、

「ココを見つけたからだよ」

そう言って満面の笑みをココに向けた。



「え…」

のぞみの笑顔にココは顔を赤らめる。

ずっとココに抱きついているのぞみ。

ココはやれやれと思いながらも、そっと…

のぞみの頭を撫でていた手をのぞみの背に回したのだった。





おまけ

「ひゅーひゅー」

「ラブラブですね、お二人とも!」

「うらやましいですわね」

「こんな公共の場所で…」


「りんちゃん、うらら、こまちさん、かれんさん…」

「い、いや…これは…っ」

慌てて離れるココとのぞみだったが…

後ろからバッチリ見ていた4人は、やけにニヤニヤしながら2人をからかうのだった。



2009・5・24
 
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